地域医療の先生方へ

中央検査部

中央検査部は、医師の指示により患者様から採取された検体の検査や心電図計や脳波計など測定機器を使った検査を行います。その検査結果を元に医師が病気の原因や治療方針を決める重要な役割を担っている部署です。又、当院検査部では2交替制勤務で時間外の救急患者様に対しても正確な検査データを迅速に提供しています。

■中央検査部理念

 1.患者様には「親切に、丁寧に、待たせない」を念頭に持ち、誠意を持って接します。
 2.正確かつ迅速な検査結果の供給を目指すと同時に、日々の精度管理を的確に行います。
 3.検査の質の向上、地域医療機関との連携強化を図ります。
 4.技師は日々教育、研修に積極的に参加し、スキルアップを目指します。

■スタッフ


・臨床検査科部長
野中 博章

・中央検査部長(技術長)
大久保 裕幸

・主任臨床検査技師
5名

・臨床検査技師
14名

・臨床検査技師(嘱託)
2名

・検査助手
1名

資格取得者

細胞検査士 4名(うち2名は国際細胞検査士)

超音波検査士 4名

認定臨床微生物検査技師 1名

認定血液検査技師 1名

認定心電図検査技師 1名

特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任 2名

認定管理検査技師 1名

■精度保証認定制度施設のお知らせ

当院中央検査部では平成23年度より創設された社団法人日本臨床検査技師会の臨床検査精度保証認証施設として認定されました。
これは当院検査部の臨床検査データの信頼性が極めて高いことを意味しています。今後も正確な臨床検査データの提供に努めていきます。 

各部門の業務内容

詳しくは下の項目をクリックしてください

■当院検査部の特色

【アスベスト小体計測検査】

詳しくは、病理検査部門をご覧ください。

【振動病検診】

詳しくは、生理検査部門をご覧ください。

【病院内の他部門との連携】

当検査部では、院内の他部門と連携して、ICT(感染制御チーム)やNST(栄養サポートチーム)に積極的に参画しています。

【臨床検査技師学校実習生の受け入れ】

毎年、検査部では検査技師養成学校学生の実習を受け入れており実践的な検査の理論や手技などを指導しています。

■検体検査とは・・・

患者さんから採取した血液、尿、穿刺液など様々な検体の検査を行います。

【一般検査】

尿中の蛋白や糖や潜血、沈渣を検査し尿路系の疾患や異常が無いかを調べます。また便中の潜血を検査し、消化管や腸などから出血がないか調べます。

尿自動分析装置
アークレイオーションMAX AX-4030
アークレイオーションIQ   IQ-5210
(尿酸結晶)

【血液検査】

血液中の赤血球や白血球、血小板の数を測定し、貧血や血液疾患(白血病など)の検査を行い、必要に応じて骨髄検査を行います。また、血液の凝固や止血の検査、抗血栓薬(ヘパリンやワーファリンなど)の効果判定の検査を行います。

  (骨髄像)

【輸血検査】

血液型や不規則抗体の有無、交差適合試験などの輸血に関する検査を行います。また、輸血に使用する血液製剤の保管、管理を行います。

【生化学・免疫検査】

血液中の電解質(Na・K・Clなど)や蛋白や脂質(コレステロール・中性脂肪など)、酵素(AST・ALT・ALPなど)、肝炎ウイルスの抗原や抗体、腫瘍マーカー(CEA・CA19-9など)を測定し、患者さんの栄養状態や各臓器の状態、腫瘍の有無を調べます。


生化学自動分析装置 日立008

■細菌検査とは・・・

私たちの体の中にはたくさんの細菌(常在菌)がいます。
しかし、次のような場合には発熱、下痢、腫脹などの症状が現れることがあります。
・常在菌とは異なる病原菌が侵入する場合(食中毒菌やビブリオ菌、赤痢菌等)
・体が弱って免疫力が低下したため、普段は影響が無い菌に負けてしまう場合(日和見感染)
細菌検査室では、患者さんから採取された様々な材料(尿、便、喀痰など)の中に、感染症の原因となる菌がいるかどうか、また、その菌に有効な抗菌薬は何であるかを調べるための検査を行っています。

【塗抹検査】

検体をスライドグラスに塗布し、グラム染色という方法で菌を染色し顕微鏡で観察します。感染症の原因と推測される菌はいないか…など、染色性と形態によってわかる情報を、迅速に報告します。


グラム陽性球菌

グラム陰性桿菌

【培養・同定】

患者さんから採取された様々な材料(尿、便、喀痰など)を、培地に接種して適切な条件で培養し発育させます。発育後は生化学的性状や血清学的性状を見ながら菌種の決定を行っています。 また、血液培養については自動血液培養装置を導入し、患者さんの敗血症などの危険な状態をいち早く察知するため、検体の24時間受付を行い対応しています。


培地上に菌が発育する


安全キャビネット

自動血液培養装置(BACT/ALERT)

【薬剤感受性試験】

感染症の原因となっている菌が同定されると抗菌薬を用いた治療が行われます。同じ菌種でも効果のある抗菌薬が同じであるとは限りません。そこで、薬剤感受性試験で最も効果のある抗菌薬を調べます。MRSAやESBLs産生菌などの各種耐性菌の検出にも使用されます。


InfoMedical IAO 1 MIC mkⅡ

【迅速検査】

通常、培養などで結果報告まで時間のかかる細菌検査ですが、以下の検査は30分以内に結果連絡が可能です。

○尿中肺炎球菌抗原
○尿中レジオネラ抗原
○ノロウイルス
○CDトキシン(クロストリジウムディフィシルトキシン)
○インフルエンザウイルス
○マイコプラズマ抗原

■生理検査とは・・・

臨床検査の業務のうち血液や尿などを扱う検体検査とは異なり、直接患者さんと接して検査を行います。当院の検査部では主に以下の検査を行っています。

【心電図検査・負荷心電図検査】

狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、不整脈などの伝導障害、心肥大・拡大などの有無を調べます。また、トレッドミル検査やマスター二階段負荷心電図検査も行っています。その他、命に関わる危険な不整脈の精密検査として心室遅延電位(レートポテンシャル:LP)も検査可能となっています。

【ホルター心電図・24時間血圧測定検査・イベントレコーダー】

ホルター心電図検査では長時間記録可能な小型のレコーダーを装着し、入院することなく約一日分の心電図を記録する事により日常生活における心拍の変化を調べます。この検査で不整脈や狭心症の有無等が分かります。24時間血圧測定検査ではホルター心電図の機能に加えて、血圧を24時間一定間隔で自動的に測定できる小型のレコーダーを装着し、血圧及び心電図を記録する検査です。3日間不整脈を記録できるイベントレコーダーの検査も行っています。

(24時間血圧計)
(ホルター心電図)
(解析装置)

【血圧脈波検査(ABI)】

上腕と足首の血圧の比較や脈の伝わる速さなどを調べることにより、動脈硬化の程度や血管の弾力性(血管年齢)を測定します。

【超音波検査】

超音波検査は身体に害がなく簡便で、繰り返し行える検査です。現在、心臓・頸動脈・腎動脈・下肢動脈、静脈・腹部・甲状腺の検査を行っています。

【肺機能検査】

肺活量などから肺の機能や肺年齢を調べる検査です。肺気腫や喘息などの肺疾患や職業性肺疾患の一つであるじん肺症の診断に有用であり、また全身麻酔手術の術前検査としても行われます。

【脳波検査】

脳が活動するときに発生する微弱な電気信号を波形として記録します。てんかんやその他の脳機能障害の有無を精査します。また、脳死判定を行う際の重要な検査の一つでもあります。

【神経伝導検査】

目的とする四肢の神経に電気刺激を与え、その電気刺激が神経を進む速さや伝わり方を調べることにより神経障害の有無や程度を精査します。また聴覚脳幹反応(ABR)の検査も行っています。

【サーモグラフィー検査】

体表面の皮膚温度分布を特殊なカメラで撮影して、各温度に応じて色分けすることで循環障害などの診断に役立てます。

【その他の検査として…】

これらの検査に加え医師・看護師・放射線技師と共に心臓カテーテル検査中の心電図や血圧の測定を行っています。

【振動病検診】

工具や機械などの振動が原因でおこる振動障害の有無を検査します。1次検診として皮膚温測定・振動覚・痛覚・爪圧迫の検査を行い、さらに2次検診(精密検査)として冷却負荷試験・神経伝導速度検査を追加して行います。また年一回、医師・看護師・事務職員とともに五島列島、壱岐、対馬などの離島への出張検診も行っています。

*振動障害とは・・・

チェーンソーや削岩機、鋲打機などの強い振動を伴う工具を長期間使用することによりおこる障害。山林労働者や土木・建設従事員の職業病とも言われています。症状としてレイノー現象を主徴とする末梢循環障害や末梢神経障害、骨・関節系の運動機能障害が起こり、慢性的なしびれと感覚の鈍化、握力の低下や疼痛を生じます。一般的には特徴的な症状であるレイノー現象(白指発作)から、『白蝋病』とも言われています。

(皮膚温検査)
(振動覚検査)

(痛覚検査)

(爪圧迫検査)

■病理検査とは・・・

患者さんから採取された臓器や組織から顕微鏡標本を作製し、病気を検査、診断する部門です。組織学的検査・細胞学的検査・術中迅速検査・病理解剖からなります。

【組織学的検査】

手術や検査によって採取された臓器や組織片などを顕微鏡で観察して病気の診断を行います。必要に応じて特殊染色や、免疫組織化学染色を行い、治療法の選択・予後の予測など重要な情報を提供します。

【細胞学的検査】

子宮頚部の擦過物や喀痰、尿、胸水、腹水、乳腺や甲状腺などを針によって穿刺して採取された液状物などの中にがん細胞などの異常がないか顕微鏡で観察して病気の診断を行います。診断は全ての細胞診標本に対し細胞検査士2名によるダブルチェックを行っています。

【術中迅速検査】

手術中の診断結果により術式の変更が考えられる場合に利用される組織検査方法で、手術中に摘出された臓器で標本を作製し、顕微鏡で観察し、病変の性質や転移の有無、また断端部での腫瘍の有無などを調べます。そして、結果は直ちに報告され、手術に反映されます。


術中迅速標本作製装置 LECIA CM9500

【病理解剖】

不幸にして亡くなられた患者様のご遺体について、ご遺族の承諾を得て行われます。臨床診断の正確さの判定、病態や進展過程、死因の解明、治療効果評価などを行います。そして今後の医療の向上に役立てられます。

【アスベスト小体計測検査】

当院はアスベスト疾患ブロックセンターが開設されており、アスベスト関連疾患の診断や治療を行っていますが、アスベストの職場ばく露の確定に必要なアスベスト小体計測検査を実施しています。この検査の材料は肺組織の他、気管支肺胞洗浄液(BALF)を用い、位相差顕微鏡という特殊な顕微鏡を用いて石綿小体、石綿線維(写真参照)を計測します。


肺組織の石綿小体と石綿繊維

BALFの石綿小体
肺組織の石綿小体とは違い
細長い形状をしている。

■検査項目と基準値

項目 名称 基準値 単位 臨床的意義
Na ナトリウム 135~147 mEq/l 体液中のイオン濃度を測定する事でバランスの崩れや、体内の障害を診断する。
カリウム 3.5~5.0 mEq/l
Cl クロール 98~110 mEq/l
BUN 尿素窒素 7~20 mg/dl 腎臓の機能が低下すると増加。脱水でも増加します。
CRE クレアチニン 0.4~1.2 mg/dl 腎臓の排泄機能低下で高値を示します。経過観察に有用。
eGFR 推算糸球体濾過量 60 ml/min CRE値と年齢、性別で求められる、腎機能の指標となるものです。
CK クレアチン
キナーゼ
M62~287
F45~163
U/l 心筋梗塞の時、極く早期に増えます。激しい運動のあとでは高くなります。
AST トランス
アミナーゼ
7~38 U/l 心筋梗塞などで上昇。激しい運動のあとでも高くなります。
ALT 4~43 U/l 肝臓の炎症で上昇します。
LD 乳酸脱水素酵素 106~211 U/l 肝臓の機能、心筋梗塞、悪性腫瘍、血液疾患などで上昇します。
ALP アルカリフォスファターゼ 103~335 U/l 肝炎、胆石、肝癌または骨髄破壊で上昇。小腸疾患とも関係します。
γ‐GTP γグルタミルトランスペプチダーゼ 10~47 U/l 肝臓の機能検査に使いますが、飲酒した後など高くなることがあります。
ChE コリン
エステラーゼ
185~431 U/l 肝疾患、癌、栄養失調などで低値。ネフローゼ、肥満、糖尿病などで上昇します。
T-CHO 総コレステロール 130~219 mg/dl 多い人は動脈硬化にご注意下さい。また、ホルモンを作る重要な材料です。
T-BIL 総ビリルビン 0.2~1.0 mg/dl 黄疸のとき高くなります。
D-BIL 直接ビリルビン 0~0.4 mg/dl 黄疸がある時、肝臓か胆嚢が原因かまた血球破壊の為かなどの区別につかいます。
ZTT 硫酸亜鉛混濁試験 4~12.0 U 肝臓に炎症が起こっている時に上昇します。
AMY 血清アミラーゼ 43~116 U/l 急性膵炎、耳下腺炎などで急増します。
U-AMY 尿中アミラーゼ 50~500 U/l 急性膵炎の際、急増します。
TG 中性脂肪 40~149 mg/dl コレステロールと同じく動脈硬化を促進する物質です。
HDL-C HDLコレステロール M35~70 
F40~75
mg/dl 善玉コレステロールとも言われ、動脈硬化を予防します。
LDL-C LDLコレステロール 70~139 mg/dl 悪玉コレステロールです。最近総コレステロールの値とLDL-Cの成績で治療の基準を決める傾向にあります。
UA 尿酸 M3.6~7.0
F2.3~5.5
mg/dl 痛風の原因物質です。腎障害、尿路結石など、合併の危険性があります。
TP 総蛋白 6.5~8.2 g/dl 栄養状態、肝機能や腎機能の障害の程度がわかります。
ALB アルブミン 3.8~5.3 g/dl  
GLU 血糖 70~110 mg/dl 糖尿病の診断に欠かせない検査です。左記の数値は空腹時のものです。120mg/dl以上は糖尿病が疑わしい。
Fe M57~160
F33~174
μg/dl 鉄欠乏性貧血の時、低値となる。
UIBC 不飽和鉄結合能 M100~338
F124~391
μg/dl 鉄欠乏性貧血の時、高値となる。
NH3 アンモニア 30~86 mg/dl 肝硬変、劇症肝炎の時、高値となる。
HbA1c ヘモグロビン   エーワンシー 4.6~6.2 過去約1~3ヶ月間の血糖の状態を反映し、治療や経過観察に有用です。(NGSP:国際標準値)
CRP C反応性蛋白 0~0.3 mg/dl 急性の炎症、組織の損傷などで増加し、病気の経過観察に有用です。ウィルス感染では高値を示さないこともあります。
RF リウマチ因子 0~15 IU/ml リウマチの診断に使います。
HBsAg HBs抗原 0~0.04 IU/ml B型肝炎の診断に使います。陽性の人は他人に感染させる恐れがあります。
HBsAb HBs抗体 0~9.9 mIU/ml B型肝炎の診断に使います。陽性の人は過去に感染した事をしめします。
HCV HCV抗体 0~0.9 S/CO C型肝炎の診断に使います。感染力はB型肝炎程は強くありません。
RPR 抗カルジオリピン抗体 0~0.9 梅毒血清反応。
TPHA トレポネ-マ抗体 0~9.9 梅毒血清反応、トレポネーマから得られた抗原を用いて特異抗体を検出する方法。
WBC 白血球 3.9~9.8 ×1000/μl 感染症、炎症、血液疾患など様々な疾患で上昇します。
RBC 赤血球 4.27~5.7 ×100万/μl 男性と女性とは多少数値に違いがあります。足りなければ貧血。
Hb ヘモグロビン 13.5~17.6 g/dl 血色素と言われるものです。赤血球100ml中の鉄分の量です。
Ht ヘマトクリット 39.8~51.8 血液中に占める赤血球の割合です。%で表示します。
MCV 平均赤血球容積 82.7~101.6 fl 赤血球の1個あたりの体積の平均です。赤血球の大きさがわかります。
MCH 平均赤血球血色素量 28.0 ~34.6 pg 赤血球1個あたりに含まれるヘモグロビンの量の平均です。
MCHC 平均赤血球血色素濃度 31.6~36.6 赤血球1個あたりの体積に対するヘモグロビンの量の割合です。
PLT 血小板 M13.1~36.2
F13.0~36.9
×1万/μl 出血を止める働きをします。減少すると、血が止まりにくくなります。
Ret 網状赤血球 0.2~2.6 血液を作り出す機能を把握する検査の一つです。貧血時には増加します。
PT プロトロンビン時間 10~14 出血を止める働きを調べる検査。PT時間は凝固因子の一つであるプロトロンビンの欠乏により延長します。
APTT 活性部分トロンボプラスチン時間 25~37 内因性の凝固系(出血を止める働き)検査。凝固因子の欠乏によりAPTT時間が延長する。肝臓の働きに関係する
Fib フィブリノーゲン 170~410 mg/dl 肝で産生される糖蛋白、一般にFibが700mg/dl以上になると血栓傾向出現。
FDP フィブリノーゲン分解産物 0~5.0 μg/ml 一度体内で固まった血液(血栓)が解ける時に生じる物質。妊娠、ストレス、運動、飲酒で亢進します。
ATⅢ アンチトロンビンⅢ 83~118 血液の凝固を阻止する因子。血栓症、肝障害の診断に用いられます。とくに肝硬変、ネフローゼ、DICで低値。
DD Dダイマー 1.0以下 μg/dl 血栓があると上昇します。DICの判断材料となるものです。
    M:男性 F:女性