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病理診断科

外来診療医師一覧

■特徴

 病理診断科は、胃カメラや気管支鏡、針生検や手術により患者様のからだの一部より採取された検体や痰、尿などから標本を作成し、顕微鏡で形態学的に診断を行なっております(病理診断)。がんなどの悪性腫瘍であるか、良性病変であるかなど、疾患の確定診断に大きく貢献しています。
 また、腫瘍の分子標的治療に関わる分子を免疫組織化学的検査によって評価することで、患者様に適した薬剤を選別する一助となります。
 がんゲノム医療をご希望の際にも、腫瘍より作成した病理検体からDNA採取が必要となりますが、繊細な物質であるDNA・RNAを保存するために適切に取り扱い、保管することに努めております。
 正しい診断には臨床医と病理医の連携が必須です。当院では臨床病理カンファレンスを行い、臨床診断、画像診断、病理診断を多くの医師が共有しつつ、病態・問題点や治療方針について検討しています。
 病理医や病理技師が患者様と直接対面する機会はありませんが、顕微鏡の向こうには、治療を待つ方々がいらっしゃることに常に想いを馳せながら、日々の病理診断を行なってまいります。

■当科の対象疾患

 各科から確定診断のために採取された小さな組織から手術で切除された臓器まで、これらに関わる疾患全てが病理診断の対象となります。
 稀に病理診断には難解な病変も存在しますが、近隣の大学病院や日本病理学会および病理学会九州・沖縄支部のエキスパートにコンサルテーションを行える体制を整えています。

■スタッフ

プロフィール


病理診断科部長 力武 美保子

臨床検査技師 草野 睦士

臨床検査技師 岡部 寛央

臨床検査技師 川下 勝希

■当科で行う病理診断について

組織診断
生検組織診断や手術で摘出された臓器・組織診断を行います。生検組織診断では、病変から組織の一部を採取して行われます。非常に小さな検体ですが、悪性腫瘍の確定診断の際には非常に重要です。また手術臓器の組織診断では、生検と違って大きな組織または胃や大腸、乳腺など臓器そのものが対象であるため、詳細に病変を検索します。がんの組織型(がんの風貌により性質や治療が異なる)、広がり、血管侵襲やリンパ節転移、また正常な部位でも、がんになりやすい病変がないか、などです。抗癌剤などの治療後ではどのくらいがん細胞が消失しているか、治療効果の判定も行います。
細胞診断
痰や尿、分泌物などに含まれる細胞を顕微鏡で調べて、がん細胞がいるかどうかを判断します。細胞検査師資格を持つ病理専属の技師と病理医で判定します。
術中迅速診断
手術中に迅速を要する診断として病理診断が行われることがあります。腫瘍の良悪性、病変の切除範囲は十分であるか、リンパ節転移の有無など、術式の決定に関わる情報を提供します。
病理解剖
治療や看護を受けた患者様がご不幸にも病により亡くなられた際に、病気の本体を解明することを目的として行われるのが病理解剖です。

 ① 生前の診断は正しかったか
 ② 病気の進行具合
 ③ 治療は適切であったか、治療によりどのように病変が変化したか
 ④ 死因はなにか

など、治療に携わった医師・医療スタッフが持っていた疑問に対しての解答や、治療経験の裏付け、もしくは反省点など、様々な情報が提供されます。これらにより、医療スタッフの知識・技術の向上にもつながり、次の患者様へ経験が生かされていきます。
また、当院ではアスベストの職業ばく露の確定に必要な石綿小体測定が可能ですので、生前に確定が困難であった場合、病理解剖により検索することができます。
現在、画像診断などの目覚しい発展により、病理解剖は年々減少傾向にありますが、今も昔も病理解剖の重要性は変わりません。また治療効果や死因の解明は残されたご遺族にとっても、少しの心の安らぎになると信じて病理解剖を行います。