平成27年度 長崎労災 病院指標

整形外科の診断群分類別患者数トップ3は、上記のとおりです。最も多かったのは、大腿骨頚部骨折等の方に人工骨頭挿入術や骨折観血的手術を行う277件でした。平均年齢が約84歳と高く、転院率が84%となっています。転院率が高いのは、術後リハビリテーションを継続して行うため、他の医療機関と連携した地域連携パスを活用しているからです。手術から術後のリハビリは当院で行い、在宅復帰に向けてのリハビリは、他病院で速やかに行えるよう、医療情報の共有を図っています。2番目に多かったのは椎間板ヘルニアの椎間板摘出術や脊椎固定術を行う168件でした。平均在院日数が23日と全国平均より若干長いのは、手術による影響もあります。脊椎のヘルニアは状態に応じて様々な手術を選択します。椎間板摘出術では在院日数も2週間程度となるのですが、脊椎固定術では在院日数が長くなる傾向です。3番目に多かったのは、変形性股関節症などの方に人工股関節置換術を行う105件でした。こちらも平均在院日数が34.3日と全国平均の25日より長いのですが、平均年齢が68歳と高齢なことが影響しています。

内科の診断群分類別患者数トップ3は、上記のとおりです。最も多かったのは、肺炎で手術や人工呼吸器等を行わなかった方で57件でした。平均年齢は約70歳でしたが、在院日数は全国平均より若干短い傾向でした。次に多かったのは、肝がんの方で肝臓へ経皮的にカテーテルを入れ、抗がん剤を投与する療法(TACE)です。件数が47件となっています。3番目に多かったのは、肺がん診断目的での気管支内視鏡検査する方が37件となっています。

外科の診断群分類別患者数トップ3は、上記のとおりです。トップ3全て大腸がんの抗がん剤療法(化学療法)で、結腸がんと直腸がんとなっています。結腸がんで1位と3位に分かれているのは、使用される抗がん剤が異なるためです。当院の大腸がん化学療法は、ほとんどの方が2泊3日での入院です。

脳神経外科の診断群分類別患者数トップ3は、上記のとおりです。1位と2位は脳梗塞の保存的加療でした。最も件数が多かったのは、エダラボンといわれる注射で加療を行った方となっています。当院は脳卒中連携パスを使用しており、他の回復期リハビリテーション病院等と協力し、当院での加療後もリハビリが必要な方は転院を行っています。3番目に多かった症例は、頭部外傷の保存的加療となっています。トップ3全て平均年齢が70歳以上と高齢の方を診ています。

循環器内科の診断群分類別患者数トップ3は、上記のとおりです。最も多かったのは、狭心症などの方に行われる心臓カテーテル検査入院の49例でした。動脈にカテーテルを入れ、心臓の冠動脈の閉塞、狭窄している血管を調べる検査です。予定入院の方は2泊3日で退院できるようクリニカルパスを作成しています。2番目に多かったのは、洞不全症候群などの方に局所麻酔下でペースメーカーを移植する手術でした。ペースメーカー移植術も10日間程度で退院できるようクリニカルパスを作成しています。3番目に多かったのは、狭心症などの方に行う経皮的冠動脈ステント留置術でした。動脈にカテーテルを入れ、心臓の冠動脈の閉塞、狭窄している血管にステントといわれる材料で血管閉塞部を開通させる手術です。予定入院の方は4～5日間で退院できるようクリニカルパスを作成しています。

形成外科の診断群分類別患者数トップ3は、上記のとおりです。最も多かったのは、皮膚腫瘍の腫瘍摘出術となっています。また、顔面外傷による鼻骨骨折整復術の方や、皮膚欠損創の方の植皮術も診ています。

皮膚科の診断群分類別患者数トップ3は、上記のとおりです。最も多かったのは、皮膚腫瘍の腫瘍摘出術となっています。また、蜂窩織炎や紅斑症の方も診ています。

麻酔科の診断群分類別患者数トップ3は、上記のとおりです。最も多かったのは、急性薬物中毒の11件となっています。急性薬物中毒のほとんどがヘビ(まむし)に咬まれ受傷した方の治療です。在院日数が全国平均よりも若干長いのは、平均年齢が約68歳と高齢なことが影響していると考えられます。麻酔科は救急入院症例が多く、胸部外傷等の症例も診ています。

整形外科は、脊椎、関節、外傷、手の外科と多岐にわたる疾患を診ています。手術症例数のトップ3において最も多かったのは、骨折観血的手術（肩甲骨、上腕、大腿）でした。ほとんどが大腿骨骨折の手術であり、術後リハビリを継続して行うため、他医療機関に転院を図る地域連携パスを活用しています。2番目に多かったのは、人工関節置換術（股、膝）でした。変形性股関節症、膝関節症とも多くの症例を行っております。3番目に多かったのは脊椎固定術（後方椎体固定）です。脊柱間狭窄症、脊椎すべり、分離症や腰椎椎間板ヘルニアと様々な疾患の手術に対応しております。

外科での手術件数トップ3は上記のとおりです。最も多かったのが、主に抗がん剤投与の為に静脈下へカテーテルを植込む手術が42件となりました。2番目に多かったのは、鼠径ヘルニアに対して腹腔鏡下で行う手術が40件でした。3番目に多かったのは胆のう結石等に対して腹腔鏡下で行う手術が36件となっています。なお、外科は胃がん、大腸がん、乳がんなどの手術を行っていますが、がん手術は開腹、腹腔鏡及び臓器の切除範囲等でKコードが細分化されており、トップ3には計上されておりません。

内科での手術件数トップ3は上記のとおりです。最も多かったのが、大腸内視鏡にてポリープを切除する手術で80件でした。内視鏡結腸ポリープ切除術はクリニカルパスを作成しており、切除後に下血等が無ければ1泊2日の入院となっています。2番目に多かったのが、肝がんの方に行われる治療方法で、肝臓へ経皮的にカテーテルを入れ、抗がん剤を投与する治療方法(TACE)で44件となっていました。当該疾患もクリニカルパスを作成し、12日～13日で退院できるよう努めています。3番目に多かったのが、黄疸等で閉塞された胆管にステントといわれる材料で閉塞部を開通させる手術です。黄疸の原因は様々で、疾患に応じた加療を行っています。

脳神経外科での手術件数トップ3は上記のとおりです。件数が最も多かったのは、頭部外傷等で発生する慢性硬膜下血腫の除去術の55件でした。次に多かったのが、くも膜下出血や未破裂脳動脈瘤に対して行われる脳動脈瘤頸部クリッピングの28件でした。脳動脈瘤頸部クリッピングに関しては、未破裂の脳動脈瘤に行う場合と、急性発症疾患でもあるくも膜下出血では在院日数は異なります。くも膜下出血の方が在院日数は長くなります。3番目に多かったのが内頚動脈の血栓を除去する動脈血栓内膜摘出術の16件となりました。

形成外科での手術件数トップ3は上記のとおりです。上位3全てが皮膚皮下腫瘍の摘出術となっています。腫瘍の大きさや発生部位により手術点数が異なりますのでこのような結果となっています。当院の皮膚皮下腫瘍摘出術はクリニカルパスがあり、腫瘍の大きさ等にも関係しますが、1泊2日で退院できるよう努めています。腫瘍が大きく、手術創が広い場合は入院日数が長くなります。

循環器内科での手術件数トップ3は上記のとおりです。最も多かったのが、狭心症などの方に行う経皮的冠動脈ステント留置術でした。動脈にカテーテルを入れ、心臓の冠動脈の閉塞、狭窄している血管にステントといわれる材料で血管閉塞部を開通させる手術です。予定入院の方は4日から5日間で退院できるようクリニカルパスを作成しています。2番目と3番目に多かったのは、ペースメーカー移植術と交換術でした。洞不全症候群などの方に局所麻酔下でペースメーカーを移植する手術です。ペースメーカーは電池消耗するので、約10年でペースメーカーの交換が必要になります。移植術の入院日数は10日間程度、交換術の方は7日間程度となっています。ペースメーカーに関しても当院はクリニカルパスを作成しています。

皮膚科での手術件数トップ3は上記のとおりです。当院の皮膚皮下腫瘍摘出術はクリニカルパスがあり、1泊入院での診療も可能です。