令和４年度 長崎労災 病院指標

整形外科の診断群分類別患者数トップ5は、上記のとおりです。最も多かったのは、大腿骨頚部骨折などに対し、人工骨頭挿入術や骨折観血的手術を行った方で、年間退院件数は239件でした。平均年齢が約84歳と高く、転院率が81.5％となっています。転院率が高いのは、術後のリハビリテーションを積極的に行えるよう、他の医療機関と連携した地域連携パスを使用しているからです。手術から術後のリハビリは当院で行い、在宅復帰に向けてのリハビリは他病院で速やかに行えるよう、診療情報の共有を図っています。2番目に多かったのは腰部脊柱管狭窄症に対して脊椎固定術を行った方で105件です。3番目に多かったのは、変形性股関節症に対し、人工関節置換術を行った方で94件です。4番目に多かったのは、前腕骨折に対し骨接合術を行った方で94件です。5番目に多かったのは、胸椎、腰椎の骨折で保存的に加療した方、椎間板ヘルニアに対して椎間板摘出を行った方です。椎間板摘出術では、在院日数も2週間程度となりますが、脊椎固定術となると平均在院日数は長くなる傾向です。

内科の診断群分類別患者数トップ5は上記のとおりです。もっとも多かったのは小腸大腸の良性腫瘍に対し内視鏡を用いた大腸粘膜切除術を行った方で166件となっています。2番目に多かったのは、胆管結石等による胆管炎に対し内視鏡を用いた手術を行った方で46件です。3番目、4番目に多かったのは、誤嚥性肺炎、間質性肺炎に対し、手術や人工呼吸を行わなかった方で40件、28件です。間質性肺炎とは、肺を支える組織である間質に炎症が起こった状態です。炎症が進むにつれて間質が厚く、硬くなり肺の動きが悪くなってしまいます。

外科の診断群分類患者数トップ5は上記のとおりです。1番目4番目5番目に多かったのは結腸直腸がんの化学療法の方で60件31件27件です。2番目に多かったのは鼠径ヘルニアに対する鼠径ヘルニア手術を行った方で56件です。多くが腹腔鏡による手術となっています。3番目に多かったのは乳がんに対する乳房切除手術を行った方で39件です。

脳神経外科の診断群分類患者数トップ5は上記のとおりです。最も多かったのはてんかんで痙攣を鎮静化させ予防薬の調整を行った方で46件です。2番目に多かったのは外傷性頭蓋・頭蓋内損傷で外傷性硬膜下血腫に対し血腫除去を行った方です。3番目に多かったのは脳内出血の方で降圧治療を行った方21件です。4番目に多かったのは脳梗塞の方でエダラボンという脳保護剤を使った治療を行った方です。5番目に多かったのは脳梗塞に対する保存的加療です。当院は地域連携パスを使用しており、他の回復期リハビリテーション病院等と連携し、当院での加療後もリハビリが必要な方は転院を行っており、転院率は約50％となっています。

循環器科の診断群分類患者数トップ5は上記のとおりです。1番目に多かったのは徐脈性不整脈という心拍数が減少して心機能が低下した患者さんに、ペースメーカーという医療機器を局所麻酔で植え込む手術を行った方37件です。２番目、４番目に多かったのは心臓に血液を送る冠動脈という血管に異常が起こる疾患です。冠動脈が狭くなる疾患を狭心症といい、完全に閉塞すると心筋梗塞を起こすことがあります。狭くなったり閉塞した冠動脈を開大する治療を行っています。カテーテルという細い管を動脈に挿入し心臓の近くまで進めて行います。血管造影であれば、２泊３日のクリニカルパスで対応しています。3番目に多かったのは頻脈性不整脈の方です。心拍数が上昇しすぎて心臓の働きが低下した患者さんの治療を行います。

泌尿器科の診断群分類患者数トップ5は上記のとおりです。もっと多かったのは、前立腺がん疑いで針生検を行った方です。2番目に多かったのは、前立腺肥大症の方に内視鏡を尿道内に挿入し肥大した前立腺を尿道粘膜とともに切り取る手術を行った方です。3番目に多かったのは、腎臓尿路の感染症の方で抗菌薬による薬物療法を行った方です。4番目に多かったのは、膀胱がんの方に内視鏡で観察しながら電気メスで腫瘍を削りとる手術を行った方です。

形成外科の診断群分類患者数は上記のとおりです。最も多かったのは皮膚の良性腫瘍に対して、腫瘍の摘出手術を行った患者さんです。

整形外科は脊椎、関節、外傷、手の外科と多岐にわたる疾患を診ています。手術症例数トツプ5において最も多かったのは、骨折観血的手術（大腿等）でした。ほとんどが大腿骨骨折の手術であり、術後のリハビリを速やかに行うため、他医療機関に転院を図る地域連携パスを活用しています。2番目に多かったのは人工関節置換術でした。変形性股関節、膝関節で157件でした。3番目、4番目に多かったのは脊椎固定術です。脊柱管狭窄症、脊椎すべり、分離症や腰椎椎間板ヘルニアと様々な疾患の手術に対応しています。

内科での手術件数トップ5は上記のとおりです。最も多かったのが、大腸ファイバー下にて大腸ポリープを切除する手術で162件でした。大腸ポリープ切除術はクリニカルパスがあり、切除後に下血等がなければ1泊2日の入院となるようにしています。2番目に多かったのは、黄疸等で閉塞された胆管にステントといわれる材料を留置し閉塞部を開通させる手術で30件でした。3番目に多かったのは、早期大腸がんの方に対して内視鏡を使用して消化管の内腔から粘膜層を含めた粘膜下層までを剥離し病変を一括切除する手術です。4番目に多かったのは、内視鏡を用いた胃の手術です。5番目に多かったのは、肝がんの方に経皮的に動脈内に挿入したカテーテルを通じて、病変に関与する動脈を閉塞させる手術です。

外科での手術件数トップ5は上記のとおりです。最も多かったのは、結石等に対して腹腔鏡下で行う手術で39件でした。2番目に多かったのは、鼠径ヘルニアに対して腹腔鏡下で行う手術で28件でした。3番目に多かったのは、主に抗がん剤投与のために静脈下へカテーテルを植え込む手術で27件でした。4番目に多かったのは、鼠径ヘルニアに対して顕微鏡下で行う手術で25件でした。5番目に多かったのは、乳がんの方に対して行う乳腺悪性腫瘍手術で20件でした。

脳神経外科での手術件数トップ5は上記のとおりです。最も多かったのが、頭部外傷等で発生する慢性硬膜下血腫の除去術で48件でした。2番目に多かったのは、脳梗塞に対して行われる経皮的脳血栓回収術です。3番目に多かったのは、くも膜下出血・未破裂動脈瘤に対して行われる脳動脈瘤頚部クリッピング術の14件でした。脳動脈頚部クリッピング術に関しましては、未破裂の動脈瘤に行う場合と、急性発症疾患でもあるくも膜下出血では在院日数は異なります。くも膜下出血の方が在院日数は長くなります。4番目に多かったのは、脳腫瘍の方に対して行われる腫瘍摘出術でした。5番目に多かったのは、脳梗塞、脳血管障害に対し動脈血栓内膜摘出術（頸動脈内膜剥離術）で13件でした。

泌尿器科での手術件数トップ5は上記のとおりです。最も多かったのが、前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺手術です。2番目に多かったのは膀胱がんに対する膀胱悪性腫瘍手術です。3番目に多かったのは、結石や水腎症に対する経尿道的尿管ステント留置術です。4番目に多かったのは、腎癌、腎盂癌、尿管癌に対する腹腔鏡下腎（尿管）悪性腫瘍手術です。

循環器内科の手術件数トップ5は上記のとおりです。1番目と4番目に多かったのはそれぞれペースメーカーの移植術と交換術です。心拍数が低下することで障害が起こる疾患の患者さんに、局所麻酔でペースメーカーを移植する手術を行います。ペースメーカーは電池で駆動する医療機器で、約10年前後で交換が必要です。クリニカルパスに沿った医療を行っています。2番目，3番目、5番目に多かったのは、心臓に血液を送る冠動脈の疾患で、狭心症、心筋梗塞といった患者さんにステントという器具を冠動脈に留置する治療です。予定入院の方は4～5日で退院できるようにクリニカルパスを作成しています。