新年あけましておめでとうございます。皆さまには健やかに新年をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。
昨年は新型コロナウイルス感染症の第6波、7波、8波が押し寄せ、私たちはコロナ禍の中で3回目の正月を迎えることとなりました。当院はコロナ感染症即応病床を最大35床確保して多くのコロナ患者の診療に当たってまいりました。年末には大規模な院内クラスターが発生し、一般診療や救急医療を制限せざるをえない状況になりましたが、職員一丸となってこの難局を乗り越えました。これも地域の医療機関、介護施設等のご支援とご協力、そして住民の皆様のご理解があってのことと感謝申し上げます。
わが国は医療の進歩とともに超高齢社会となり、今や人生100年時代と言われています。単なる寿命ではなく、健康で自立した状態で生活する「健康寿命」をいかにして延ばすかが、 人生100年時代の大きな課題です。当院では、働く人々の疾患の予防、早期発見、治療、リハビリテーションを適切に行うことで、職場復帰や、治療と仕事の両立を促進することに取り組んでいます。新年を迎えるにあたり新たな決意で、健康寿命の延伸を目標とする医療を推し進める所存です。
具体的には、長崎労災病院の理念である「勤労者と地域の皆様に良質な医療を提供する」をモットーに、16診療科の医師と、看護師をはじめとする様々な医療専門職の協働によるチーム医療を推進し、高度な専門的医療を安全に提供できる体制を強化します。当院はドクターヘリ約40件を含む年間2300件以上の救急搬送を受け入れている二次救急病院ですが、佐世保・県北の救急医療に貢献できるよう努力を続けて参ります。また、50床ある地域包括ケア病床を活用して、病状が安定した患者に対するリハビリテーション等を効率的に行い、在宅復帰を一層推進します。さらに、健康診断部における人間ドックにおいて、がんや生活習慣病を早期に発見し、適切な治療へと繋げます。
今年の干支は癸卯(みずのと・う)です。癸は十干の10番目、卯は安全や飛躍の象徴であり、癸卯は今までの努力が実を結び飛躍する年だとされています。今年はこれまでコロナ感染症と戦った経験をもとに、新しい波に臨機応変に対応するとともに、人生100年時代を見据えた医療体制の強化に取り組みたいと思っています。長崎労災病院は病気の予防から高度な治療まで切れ目のない医療を提供し、これからも健康長寿社会の実現に向かって職員一同努力して参ります。皆様、今年も変わらぬご厚誼を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
長崎労災病院 院長 酒井 英樹